シマリス
シマリスは日本のペットの中でも歴史が古く江戸時代からペットとして飼育されてきました。ペットショップにいるのは日本で繁殖された子か、中国や韓国から輸入されてきた子たちです。小さい頃に人に育てられている子は手のりになる事もあります。野生で育った子はなかなか触るということは難しいかもしれません。また、非常にすばしっこいので逃げてしまうとなかなか捕まえることが難しいです。ですので、どちらかというとケージ越しにコミュニケーションを楽しむペットかもしれません。お腹がすくと人にフードが欲しい事をアピールしてきますのでコミュニケーションが取りやすく慣れやすいペットである事は間違いありません。また、昼行性ですので人の起きている時間にシマリスも起きていますので顔を合わせる機会も多いです。
歯について
シマリスを含めたリスの仲間は、切歯という前歯が伸びます。(ウサギやモルモットは臼歯も伸びます。)もともと野生では硬い木の実の殻をかじって中身を出して食べる生活をしています、その時段々歯が摩耗しますのでそれを補うために歯が伸び続けています。逆に何もかじらなくても切歯は伸び続けますので、伸び過ぎを防ぐために飼育下ではかじる為の木などを入れておいた方が良いです。そういったものを入れていない場合、ケージの柵をガジガジと齧る事が有ります、柵は金属ですので歯にかかる負担が強すぎてひどいと歯並びが悪くなってしまいます(不正咬合)、また歯ぐきを傷つけて出血する事もあります。不正咬合になってしまうと上下の切歯同士がこすれず摩耗しないので、定期的(2−4週間毎)に歯を切り続けなければならなくなることもあります。
多頭飼育
基本的には一つのケージで一匹ずつ飼育します。縄張り意識がとても強い動物ですのですぐに喧嘩を始めます。切歯がとても鋭いので噛みつかれた皮膚は簡単に裂けてしまい、細菌感染が起これば化膿してきて治療が困難になります。メスでは縄張り意識が弱い子もいますので姉妹で子供のころから一緒にいるメス同士の子であればうまく同居させられるケースもありますが、ストレスを抱えながら生活しているはずですので分けてあげることが理想的です。雄と雌の同居も発情期以外は激しい喧嘩をしますので不可能です。
発情期について
シマリスを飼育していくうえでちょっと厄介な事が発情期における凶暴化です。野生下では発情期は春(3月ごろ)です。しかし、飼育下では部屋の照明のつけ具合などで一般的には12月ごろからはじまります。発情期に入ると縄張り意識が特に強くなり、それまでベタベタになついていた飼い主さんでさえケージに近づこうものなら飛びかかって威嚇してきます。これはオスのほうが特に強く、メスの中にはほとんど変わらない子もいます。そんな時はそういうものだと思って付き合ってあげて下さい。やがて春が少し過ぎるあたりでおさまり元の性格に戻りますよ。
尾の脱落について
シマリスの綺麗なふわっとした尾は人が持って引っ張ると簡単に切れてしまいます。皮膚だけがズルッと剥けて下の筋肉や骨がむき出しになります。ですので、いかなる理由が有っても絶対に尾はつかんではいけません。むき出しになった尾は細菌感染を起こしやすく化膿してしまうこともあります。細菌感染しないように抗生物質を飲んで様子をみると1−2週間程度でミイラ化して乾燥し脱落します。しかし、むき出しになった長さが長い場合や、気にして齧って出血を繰り返したり、化膿してしまった場合は悪い部分を手術で切除しなければならないこともあります。